季節・ローカル情報

年越し蕎麦はなぜ食べるのか?意味や食べるタイミングをご紹介!おすすめ具材も

年越し蕎麦の由来と食べる意味

日本では1年の締めくくりである大晦日に食べることでおなじみの『年越し蕎麦』。

その歴史は古く、江戸時代中期から始まっていました。

当時、大阪の商家主人が忙しい晦日(月末)に、働いてくれた奉公人を労う意味で『三十日(みそか)そば』が食べられており、この三十日そばが年越し蕎麦の始まりです。

そして、蕎麦の原料である蕎麦の実が非常に栄養価が高く、江戸時代に流行した脚気(かっけ)という病気に効果があったことや、晴れの日に食べる縁起物であったことがお正月の準備が終わった大晦日に年越しそばを食べる現在の風習へとつながったのだそうです。

年越し蕎麦を食べる意味としては、細く長い蕎麦を食べて長寿を願うことや、ご縁が長く続くように願うことなど、蕎麦の形に由来するものが多いです。

他にも、蕎麦は切れやすい性質であることから「苦労や借金などの厄災を切り捨てる」という意味も込められているようです。

年越し蕎麦を食べるタイミングと食べ方

食べるタイミングとしては、大晦日に食べ終わればいつ食べてもOK。

そのため、夜はお正月の準備で忙しいならお昼に食べれば良いですし、三十日そばの名残で1年の行いを労う意味を込めて夕食に食べても良いでしょう。

除夜の鐘を聞いたりテレビのカウントダウン番組を見たりしながら、「年越しまで後少し」という12時近くに食べるのも風情を感じられますよ。

ただし、年をまたいで食べたり食べ残したりすると、「新しい年は金運に恵まれず小銭にも苦労する」という謂れもあり、縁起が悪いと言い伝えられています。

ですから、残さず食べることを心がけるようにしましょう。

年越し蕎麦にオススメの6つの具材

そんな年越し蕎麦ですが、作り方は自由なので、温かい蕎麦でも冷たい蕎麦でもお好みの作り方で大丈夫。

また、トッピングする具材についても明確な決まりはなく、普段から冷蔵庫にありそうな具材や縁起の良さそうなものを乗せて食べる形で問題ありません。

ただ、語呂合わせや由来を考慮して選ぶなら以下の6つがオススメです。

1つ目は【ニシン】

語呂あわせの「二親(にしん)」から「多くの子供が生まれるように」という縁起担ぎに使われています。

京都や北海道では年越しにニシンそばとして食べるのが定番です。

蕎麦と出汁によく合うので、甘露煮の缶詰を用意してさっと合わせるのも良いでしょう。

2つ目は【海老】

海老は曲がっていることから、長寿の象徴で縁起の良い食材として日本中で親しまれています。

かき揚げや海老の天ぷらなど揚げてあるものを買えば、乗せるだけなので簡単に作ることができますね。

自宅で天ぷらを作る場合はブラックタイガー(牛海老)が定番ですが、最近ではバナメイ海老が安価で買えてお財布にも優しいのでオススメだそうです。

3つ目は【卵】

卵は黄色く、黄色は金色に通じることから縁起物として親しまれています。

とくに、伊達巻や卵焼きは巻いている形状から反物(着物の布地)を連想し、着るものに困らないことや繁栄・繁盛の願いが込められているようです。

スライスして乗せてみてはいかがでしょう。

それだけでなく、月見そばとして食べるのもOK。

生卵をトッピングしても良いですし、少し煮込んでポーチドエッグのようにするのも良いですね。

他にも、暖かい蕎麦に生卵が苦手な人や、ぶっかけうどんのように冷たい出汁で食べたい人には温泉玉子をトッピングするのもアレンジが広がってオススメです。

4つ目は【油揚げ】

お稲荷さんは商売繁昌の神様なので、「新年の金運や仕事運を祈願する」という意味で親しまれています。

関東では油揚げを甘辛く煮たものや、少し火で炙って香ばしさを出したものが有名です。

逆に、関西では薄くスライスしたものが知られているようですね。

5つ目は【ネギ】

「1年の苦労を労う」という意味でもネギは欠かせない具材です。

食欲を増進し、風邪の予防や改善にも役立ちます。

地方によってはネギを箸代わりにして蕎麦を救い、そのままネギごと食べる豪快な蕎麦もあるそうです。

また、薬味として使われる食材ですが、具材なしでもネギさえあれば成り立つので、関西では何も入れずにネギだけトッピングしたかけそばも多いようですね。

6つ目は【鶏肉】

「幸せや運気をとりこむ」ということから縁起の良い具材で知られており、鶏肉から出るダシはそば全体を最高ので汁にしてくれます。

ボリュームが欲しい人も、鶏肉をトッピングすることで満足できるのではないでしょうか。

鶏肉×玉子とじで親子そばとして食べるのも美味しそうですね。

まとめ

1年の労を労う意味で江戸時代から食べられている『年越し蕎麦』。

年をまたいで食べたり食べ残したりしなければ大晦日の何時に食べても良いですし、トッピングする具材も明確な決まりはありません。

自分の地域や家庭に合った具材を選び、今年の嫌な事や不運な事を払拭して新しい年に向けて願いを込めながら年越し蕎麦を食べてみてはいかがでしょう。

皆さんの健康と幸せをお祈りいたします。